2017年5月4日、秩父市上吉田塚越地区にて、埼玉県指定無形民俗文化財である『塚越の花まつり』が行われた。
古くからこの行事は、地区の子ども(小学生)が中心となって進めるとされてきた。
先にも書いたが今年はこの地区の子ども(小学生)がわずか2名となったため、地区の大人たちが事前に集まり協議をして、少しやり方を変えることで当日までの準備を進めてきた。
花摘みや花御堂の準備は、この行事の経験者でもあるこの地区の中学生や親たちも参加した。
5月4日当日、花撒き、誕生仏や花御堂を運ぶなどの分担をして、行列を連ねた子どもたちは総勢20名。
前日から準備で参加した子どもと中学生に加え、近隣地区の子ども、塚越出身者の子どもが参加した。
朝7時の出発の花火とともに熊野神社の鳥居を出発した行列は、元気に一歩一歩、薬師堂へと上がって行き、今年も無事に全ての行程を終えた。
この地区の子どもの現状を聞いた観客からは「今年で終わりかねぇ?」そんな声も聞こえてきたが、それを決めるのはこの地区のこの行事を支え、祭事を担当して来た地域住民である。
地域住民が時代に合わせて知恵をしぼり協力をし、なによりも楽しみながら進めることができ、結果、この行事を通してさらに地域が明るくなった、活発になってきた、などの変化を感じ取ることがあれば、進め方や方法は変わろうとも繋いでいける行事になるのかもしれない。
早朝の澄んだ空気の中、宙に舞う花びらに映える子どもたちの表情は、今年も清々しかった。
続けなければいけないという責務だけではなく、地域が地域らしく続け、繋いでいく、そんな気がしてならない。
塚越の花まつり、地域の祭事、形は変われども紡がれて行くであろうその姿を、これからも見続けていきたい。
記事:編集部
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