〜小さな地元のお祭りから観光客をもてなすお祭りへ〜
今年も咲きごろを迎えた秩父市上吉田の花カイドウ。
4月23日(日)、満開となった“カイドウ街道”の3Kmの道のりを心地よく上(かみ:山の上の方向)へ進むと、街道の終点近くにひと際賑わう小さい公会堂が見えてくる。秩父市上吉田小川地区の公会堂だ。23回目を数えるという『カイドウ祭り』が賑やかに開催されていた。
穏やかな春の陽気の中、大きく育ったカイドウの木に囲まれた公会堂では、フォークソングのライブ演奏や秩父屋台囃子の披露があり、観客が耳を傾ける。
カイドウとともにそんな催しも楽しんでほしいと甘酒や玉こんにゃくの煮付け、ポップコーンなどが配られ、この地区の住民の方々によるたくさんのおもてなしが、とても温かい。
訪れた観客の中には他県ナンバーの車やツアー客の一行、バイクツーリング中に偶然立ち寄ったなど、近年、カイドウ街道の知名度も上がり、いまや地元の小さな地区の住民同士が楽しむお祭りではなくなってきた様子だ。
そのせいもあってか、ホスト側を務めるこの地区住民の方々には活気がみなぎり、笑顔がとても清々しい。
一番驚いたのは、山里と言えるこの地区だが、子どもたちが元気に太鼓をはたく(叩く)姿が目立ったことだ。
聞いてみると「子どもが生まれると“地元で育てたい”とUターンしてくる世代が多い」のだという。
そして、子どもたちは小さい頃から地域住民の大人と接し、太鼓に触れ、こういった場で屋台囃子を披露できるまでに成長したという。
過疎化が進む隣近所の地区がありながら、地域で子どもを育て、子育て世代が住みやすい地域づくりが自然とできあがってきたこの小川地区に学ぶべき事例があるように感じた。
カイドウ祭りはこれからも小川地区がまとまりを見せるお祭りのひとつとして、次の世代へと引き継がれていくことだろう。
記事:編集部
*花海棠につつまれた「カイドウ街道」。こちらの動画をご覧いただき、是非雰囲気を味わっていただきたい。
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