コミュニティFM「ちちぶエフエム」設立、地域で育てるFM局

〜古くて新しい。地域で育てる、地域の架け橋を電波に乗せて〜

2018年(平成30年)秋、ちちぶエフエム株式会社(代表取締役:磯田恵美 以下、ちちぶエフエム)は、来年7月を目標に、コミュニティFM『ちちぶエフエム』を開局すると発表した。その名も「コミュニティFM放送局 ちちぶFM」である。コミュニティFM放送局とは、1992年に制度化された放送局で、市町村単位を放送エリアとして運営するFM放送局である。開局するためには総務省の免許が必要で、ちちぶエフエムは事業体を創設し総務省関東総合通信局にコミュニティFM放送局の免許申請を行っている。

法人設立の3名である、磯田恵美さん・山中優子さん・出浦ゆみさんは、2016年1月より、インターネットラジオ局「ちちぶあっぱれでぃお」を運営、「秩父夜祭」「秩父川瀬祭」などの開催時には、市民や観光客に向けて情報を発信してきた。その経験を活かし、公共の電波を通じてコミュニケーションを成立させ「まちを元気にするメディア」「地域限定の防災メディア」というコミュニティFM放送局が果たす役割に注目、より一層の発信の拡大に向けて足を踏み出した。

運営には行政は関わらない。すべて民間で運営していくとしている。公共性だけではなく、まちを活性化させるには商売の活性にも役目を果たす必要性を考え、敢えて「民間が民間主導で発信するメディア作り」をしていくという。

勿論、住民サービスという公共性であったり、安心・安全なまちづくりという事では、公共・防災といった情報をタイムリーに発信していくという、コミュニティFMの果たす役割上では行政との連携は必須事項だが、それは、行政との協定を結ぶことでそのハードルを乗り越えていくという。その一環として、防災協定を結ぶ予定で動いている。

放送エリアは、秩父地域1市4町(一部地域を除く)。放送時間は、365日AM7:00〜PM9:00までの14時間を「生放送」として行う予定だ。災害時などの緊急時は臨機応変に拡張も考えており、放送エリアの情報をリアルタイムで届けることに注力していくという。エリア内の店頭やイベント会場からのリポート、現地からの公開生放送など「その時、その場」の空気感も一緒に届けていきたいと語っている。

歴史は古いが、新しい情報を発信し続ける。日本初のラジオ放送は、1925年(大正14年)3月22日9時30分、社団法人東京放送局(JOAK:現在のNHK東京ラジオ第1放送)が東京・芝浦の東京高等工芸学校内に設けた仮送信所から発した「アーアー、聞こえますか。……JOAK、JOAK、こちらは東京放送局であります。こんにち只今より放送を開始致します」と言われている。音声で情報を届けるこのメディアは、長い歴史の中、日本の様々な旬な情報を発信し続けて来た。

筆者も一般企業に在職時代、営業外回りの際には、交通情報に始まり、娯楽、そして音楽と、仕事最中の必須メディアとして楽しませていただきながらも大変に助けていただいた記憶が蘇る。また、地元にも高校3年の冬、コミュニティFMが開局。当時の青春時代はデートに、社会人になってからはというと、帰省の際にはその電波にダイヤルを合わせ、その地域ならではの情報や音楽を聴きながら、帰省の感傷にひたるのが定番である。

また、東日本大震災以降は、防災の観点よりラジオ放送に再度注目が集まり、防災グッズの中には多く「乾電池や自発電できる電源を利用して受信できるラジオ」が搭載されているのは読者もご存知だと思う。

音声のメディアとは便利なもので、「ながら聴き」というのができるのが特徴ではないだろうか。仕事をしながら、休憩しながら、運転しながら、家事をしながら、食事をしながら、それは多岐に渡り、今一度「音声メディアの利便性」というものに着眼することは、決して古いことではなく、古くからの仕組みの中に、新しい価値観を再認識するという新しさである、と考えるのは私だけだろうか。古いけど、新しい。そんなメディアが、新しいラジオを目指し一歩を踏み出したのだ。

コミュニティFMとは、その名の通り「地域で育て・地域で活用し・地域を表現する」ものである。そんな特性をもった放送局は、大資本の援助などを受けづらく、地域の協力なくして存続も成長も難しいと言える。お金があってこそ維持・活動・提供ができる、それが経済社会である。そこで、そんな「古くて新しいメディア」を応援する方法があるので、ご紹介したい。

1、株主になろう
現在第1期の株主を募集している。株主の募集条件は1株50,000円。取得株数の上限は40株(個人・法人)。第1期は10月31日締め切り。株主条件にエリアの記載はない。よって、秩父地域1市4町在住者は勿論、出身者であったり、秩父地域が好きだ、この考え方を応援したいといった様々な個人・法人が株主になり応援することが可能だ。
申込書があるので、後述する連絡先に問い合わせていただき、応援の気持ちをもって株主を検討するのはいかがだろうか。
設立の3名は「大変申し訳ないのですが、正直株主配当は期待しないでください。株主を募集している理由は、地域で、皆で創り上げるFM局を目指したい、そういうFM局でありたい、という想いから自己資金ではなく広く公に資金を募る方法を選択しました。是非応援してください」と語っている。その方向性を応援したい。

2、放送が始まったら聴こう
ラジオはメディアである。聴いてもらえてこそ成立するビジネスであり機能である。一人でも多く、様々な事業体含めて「聴いて・活用する」ということが、何よりも最大の応援だ。無事に放送が始まったら、自宅で、車で、職場で、商店街で、公共施設で、音声メディアの最大の利便性でもある「ながら聴き」をしていただきたい。地域で愛し、愛されるメディアになってこそ、コミュニティFMであるのだ。

3、CMで活用しよう
企業・商店等は「ユーザーに情報を届ける場」として積極的に活用していただきたい。聞くところによると、20秒500円というCM設定をしているようだ。詳細は後述する連絡先に問い合わせていただきたい。
地域住民はもちろんだが、交通情報やリアルタイムの催しの情報なども提供する予定とのことなので、観光客にも聴いてもらえることが想定される。業種業態問わず、コミュニティFM価格という手頃感で、様々な宣伝効果を期待できるのではないだろうか。

『古くて新しい』地域の音声メディア「ちちぶエフエム(コミュニティFM)」。初の放送が今から楽しみだ。

記事:編集部

■連絡先
ちちぶエフエム株式会社
TEL:090-2145-1289(担当:磯田)
Email:chichibufm★gmail.com(★印を@に変えて利用してください)

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