桜の開花の声が聞こえ始めると、秩父の各地では春の行事・祭典が行われ、にぎわいを見せる。
4月4日には、秩父神社に於いて『御田植祭』が、4月5日には、椋神社(秩父吉田)に於いて『春の例大祭』が、穏やかな春の陽気の中で執り行われた。
秩父神社の『御田植祭』は、埼玉県指定無形民俗文化財に指定されており、境内を神田に見たて、田植歌を歌いながら田植えの所作を演じ、その年の豊作を祈願する。
午後一時、社殿での祭典から始まり、今宮神社へ伺って行われる水乞いの神事を経て、午後四時頃より田植えの所作を演じるというのが一連の神事の流れとなる。
また、翌日に行われた椋神社『春の例大祭』は、長い冬の期間が明けた氏子地域の安全祈願や豊作祈願、無病息災を祈る祭典だ。
この日は御神輿が出て、氏子地域を練り歩く神輿渡御(みこしとぎょ)も行われる。神輿を従えた一行が区界ごとに止まり、神官がご祈祷をして各地区を回る。
あわせて、この祭典ではお神楽の奉納や秩父で盛んに学ばれていたという気楽流柔術の奉納も行われた。
今回は、境内にて行われた御田植祭の田植えの所作の様子と、椋神社(秩父吉田)社殿にて奉納された気楽流柔術の様子を動画にて紹介しよう。
これらの行事・祭典を経て、田植えや農作業がいそがしい時期となる。
現在では、春の風物詩として感じられる行事の位置づけの方も多いと思うが、それぞれの行事・祭典の意味を知り、変わらず後世へと引き継いでいきたいものである。
記事:編集部
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