鬼の首を取ったぞ社会に 警笛を

2017年4月26日、中日新聞の記事「消防車でうどん店寄る 一宮市消防団員7人」に賛否が集まっている。

私の私見だが、このような出来事が、謝罪という形で記事になる事が残念でならない。

消防団とは本業を持った者が、ボランティア精神で自らの時間を割き、日夜努力をして事にあたっている。
有事の際は、食事を摂る時間も無い中で消火活動や避難誘導、その他付随職務にあたる。
少なからず、私が所属する秩父地域の消防団は、そういう組織だ。

その場にいたわけでは無いので、詳細はわからないが、伝えたいことがある。

先ず1点、市民のクレームを受けた箇所、その箇所から連絡を受けた箇所の対応である。
指揮命令権を持つ立場の者が、指揮命令を受ける立場の者達を信じずして、何を信じるのか。護って然るべき、事情を確認して説明して然るべきである。クレーム対応の王道「安易に謝らない」をご存知ないようである。

次に、クレームの中身だ。「公職に就く者は税金が報酬」という前提があるのか否かはわからないが、まるで「鬼の首を取った」様なクレームである。気になったのであれば、直接当事者に歩み寄り尋ねればいい。直接聞いて事情がわかった上で、クレームを入れるか入れないかを判断すればいい。スクープ社会はいかがなものか。

「鬼の首を取る」そんな社会に警笛を鳴らしたい。現在国会で「共謀罪」なるものに関係する法案が審議されているが、このような社会でこの法案が可決してしまったら、本来の目的を完遂するような機能を果たすのであろうか。

本来信頼すべき人と人との関係性が成立しない社会など、互いに助け合うことなどできない。
「鬼の首を取る」前に「ありがとう・お疲れ様・お陰様・お互い様」の心を持つ、そんな社会を互いに目指すべきと考える。

それらが根底にあってこそ、はじめて「正義」は機能するだろう。

記事:編集長 佐藤秀光

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