「行列」に並ぶと出世する!?… 経営者は行列に並んだ経験者が多い!

~人間観察や見知らぬ人との交流など、行列には思わぬ出会いや楽しみも~

日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット(所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)が、行列に関する意識調査を行った。

おいしいと評判の飲食店や話題の最新スポットなどには、行列ができることがある。
行列待ちをしてでも人気店に入りたいのは人情。
一方で、長時間並んでまで入りたくないという人もいるかもしれない。
どこへ行ったにしても、できれば行列に並ばずにその目的を果たしたいものだが、実は行列に並ぶことで得ることもある・・・?!
さっそく、行列に関してさまざまな角度から聞いた結果のまとめを紹介しよう。

■6割の人が行列したことのあるスポットとは?

まずは、どんなスポットやアイテムの行列に並んだことがあるかを聞いたところ、1位は【テーマパーク・遊園地】63.3%、2位は【飲食店(ラーメンなど)】48.9%、とこの2項目は5割近く~6割以上の数値を獲得した。
続いて、3位【美術展やイベント】27.0%、4位【名所や話題のスポット(東京スカイツリーなど)】24.4%、5位【イベントのチケットや物品販売など】21.4%、6位【スイーツ・菓子店・パン屋さん】21.3%と、20%台で並んだ。

男女別に見ると、全体で上位の項目では女性の数値が男性を上回っている。
男女差が最も大きかったのが【スイーツ・菓子店・パン屋さん】。
全体では6位の項目ですが、女性では32.4%で、3位。女性のスイーツ好きがわかる納得の結果となった。
男性のほうが数値が上回り女性との差が最も大きかった項目は、「行列に並んだことはない」だった。
男性は女性に比べて“行列嫌い”と言ってよさそうである。

 

■若者は並ばない!?

性年代別に見ると、全体的に男性のほうが低く女性のほうが高いことがわかる。
特に、女性の40代・50代は【テーマパーク・遊園地】【飲食店(ラーメンなど)】【イベントのチケットや物品販売など】と多くの項目で、他の性年代に比べ数値が高い傾向が見られた。
40代・50代の女性は、多方面に関して興味や関心があり、活動性も高いと言えるのかもしれない。
一方、60代や70代以上になると体力や活動性が低下してくるのか、男女ともに数値が低くなる傾向があった。
ただし【美術展やイベント】については、男女ともに70代以上で最も高く、高齢層の関心が高い分野であると考えられる。

注目すべきは、男女ともに20代や30代の若年層で数値が低くなっていることだ。
どちらかというと若者が遊ぶ場所というイメージのある【テーマパーク・遊園地】についても、男性の20代で39.5%、女性の20代で48.9%と、男女ともに各年代の中で最も低い数値だった。
【デパートなど(バーゲン・福袋)】でも、男女ともに20代で最低。
反対に、「行列に並んだことはない」は、男女ともに20代で最も高くなっていた。
若者全体に、人の集まる場所や話題のスポットに行ってみたいという広い関心や興味、人気のアイテムを求める物欲などが低下しているのかもしれない。

 

■経営者は専業主婦よりもテーマパークで並んでいる!

前の調査の結果について、職業別に調べたところ、【テーマパーク・遊園地】で並んだことのある人の割合が高かったのが、「会社役員・経営者」(以下、「経営者」)「専業主婦(主夫)」「会社員」の順。
また、【飲食店(ラーメンなど)】については「会社員」「経営者」「自由業」の順、【スイーツ・菓子店・パン屋さん】では「専業主婦(主夫)」「パート・アルバイト」「会社員」の順であった。

【テーマパーク・遊園地】で並んだことのある人の割合が、「専業主婦(主夫)」を抑え、「経営者」で最も高かったのが、今回の調査での一番の驚きだ。
「経営者」は【名所や話題のスポット(東京スカイツリーなど)】【宝くじ売り場】などでも、他の職業に比べて高くなっていた。
多方面に関心が強く、並んででも手に入れたいという好奇心に加え、実行力も備えている人が多いのかもしれない。

 

■1時間待ちはあたりまえ? 5時間並んでもほしいものとは…

次に、行列に並んだ理由や目的を、並んだスポット別に聞いたところ、すべてのスポットで最も多かった理由・目的は、「並ばないと入れない・手に入らないから」だった。
次いで、【テーマパーク・遊園地】を除く全スポットで、「並ぶ価値があるから」が2位。
【テーマパーク・遊園地】では、「いつも混んでいるから仕方なく」が2位だった。

理由・目的の3位はスポットによってばらつきが見られたが、【美術展やイベント】【イベントのチケットや物品販売など】【デパートなど(バーゲン・福袋)】など、計4つのスポットで「期間・数量限定だから」が3位に挙がった。
また【スイーツ・菓子店・パン屋さん】では、「話題になっているから」が3位となった(【新作発売(スマートフォン・書籍など)】でも「期間・数量限定だから」と同率3位)。

スポットやアイテムの別に関わりなく、そのスポットやアイテムに魅力や価値を感じ、“入りたい”“ぜひ手に入れたい”と思って行列に並んでいる人がやはり多いことがわかる。
「期間・数量限定」に弱く、新しいものや流行、話題のものに敏感な一面のある人も行列に並びやすいのかもしれない。

 

さらに、行列に並んだときの最大待ち時間も、並んだスポット別に聞いてみた。

【テーマパーク・遊園地】【新作発売(スマートフォン、書籍など)】では、最大で「1時間」待った人が最も多く、それぞれ32.0%、31.6%と3割超。
そのほかのほとんどのスポットでは「30分」待った人が最多であった。
【宝くじ売り場】のみ「10分」が48.2%と最も多く、【宝くじ売り場】での待ち時間は短めのようだ。

一方、【イベントのチケットや物品販売など】【新作発売(スマートフォン、書籍など)】では、「5時間以上」というツワモノも6%程度。
限定品が多いため、どうしても手に入れたいというコアな層が一定数いると考えられる。

 

■待ち時間、あなたの会話も聞かれてる!?

前の調査結果によれば、並んだ行列の平均的な待ち時間は30分から1時間程度。
今度はその待ち時間の行動について聞いた。

まずは、待ち時間に何をしているか。
最も多かったのは「同行者とおしゃべりをする」75.9%でダントツ1位。
2位「スマートフォンや携帯などを操作している」37.6%、3位「人間観察している」25.8%、4位「読書・新聞」16.2%、5位「周囲の会話を聞いている」14.6%と続き、6位は「特に何もしない」13.9%。

特に何もせずにぼーっとしていたり、スマホや携帯をいじって時間をつぶす人が多いのは想像がつくが、「人間観察している」「周囲の会話を聞いている」人も意外に多いことがわかった。
男女別に見ると、この2つは女性の数値が男性より高く、男女差が6%前後ある。
女性のほうが他人への興味や関心が強いのかもしれない。

さらに男女差に注目すると、女性の数値が男性を最も大きく上回ったのが「同行者とおしゃべりをする」だった。
やはり女性のほうが人とコミュニケーションを取ることを好むと言えそうだ。

 

■行列では前後の人との距離感に注意

次に、行列待ちをしているときに困ったことは何かを聞いたところ、1位は「なかなか列が進まない」42.0%。
そもそも混んでいるから行列になるわけで、なかなか進まないのは道理と言えるが、それでも早く進んでほしいという本音は隠せないようだ。
その後は、2位「待ち時間がわからない」37.6%、3位「トイレに行きたくなった」32.7%と続いた。

男女別に注目すると、最も男女差が大きかったのは「日差しが強かった・暑かった」、次いで「寒かった」の項目。
どちらも女性の数値が男性より10%以上高くなっていた。
特に「日差しが強かった・暑かった」は全体では31.0%で4位だが、女性では40.4%で2位。
「日差し」による日焼けが気になる女性も多いのかもしれない。

面白いのは、「後ろの人が近すぎる」の項目。
女性では22.6%と2割を超え、男性より8.5%高くなっていた。
表5の調査結果で、女性のほうが他人への興味・関心が強い様子がうかがえたが、興味がある分、他人との距離には敏感ということであろうか。
反対に、「前の人が前に詰めない」では、わずかだが男性の数値が女性を上回った。
少しでも早く先に進みたい気持ちはわかるが、他人との距離が気になる女性もいるので、あまり詰めすぎないよう気をつけたほうがいいかもしれない。

 

■並んだ後、はたして満足度は?

さらに、実際に並んで待った後の満足度がどうだったかを聞き、「大満足」と「満足」を合わせた“満足”計を調べると、1位は【スイーツ・菓子店・パン屋さん】52.3%、2位【美術展やイベント】51.8%、3位【新作発売(スマートフォン、書籍など)】48.7%の順であった。
最下位の【宝くじ売り場】以外、“満足”計はいずれのスポットについても40%を超え、4割以上の人が“満足”していることがわかる。

【スイーツ・菓子店・パン屋さん】と【美術展やイベント】では「満足」と答えた人が最も多く、それ以外のスポットについては「普通」と答えた人が最も多くなっていた。
「満足」とはいかなくても、並んだことに納得している人が多いと言えそうだ。

 

■並ぶのも“楽しみ”のうち? テーマパークに万博…記憶に残る行列の思い出

最後に、行列にまつわる記憶に残る思い出のエピソードを聞いてみた。

【テーマパーク・遊園地】
●結婚前のこと、主人と東京ディズニーランドへ行き、けっこう待たされましたが、雰囲気や景色もよく、まだ主人とつきあって間もなかったので、待ち時間もとても楽しくて幸せだったのを思い出します。(女性・40代)
●ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでアトラクションの列に並んでいるとき、周囲の話を聞くのが面白かった。ディズニーランドやシーでは聞けない大阪弁が妙に面白くて、待っている間、楽しかった。(女性・50代)
●ディズニーランドでは、パレードの場所の確保は父親の定番で、よく座っていたなぁ~。疲れるけど、子どもがパレードを観ながら喜んでいると、またがんばるんですよね…。(男性・50代)

【コンサート・ライブ】
●昔はコンサートのチケットを購入するのに、チケット販売会社の店舗まで行き、朝から並んで待っていました。今はネットやコンビニの端末で購入できるので便利になったものです。(男性・40代)
●高校生のとき、友達とコンサートの立ち見チケットを購入するために並んだ。待ち時間が長すぎて、知らない人とも話が弾むまでに。携帯やスマホがない時代だからこそで、今では考えられないだろうなぁ。(女性・50代)
●アースウインド&ファイアーのチケットを買うのに徹夜で並び、隅で寝ていたはずが、目覚めると周り中通行人だらけで驚いた。(男性・60代)
●美空ひばりさんが後楽園球場でコンサートを開催したときに、6時間待ちをして大変でした。美空さんのコンサートには何回も通いましたが、それが最後でした。行ってよかったと思っています。(男性・70代以上)

【あの万博】
●大阪万博の日本館入館に2時間並んだこと。入場してみて、並んだだけのことはあったと感心した。(男性・50代)
●大阪万博のアメリカ館で見た月の石。3時間ほど待ちましたが、その割には道端に転がっている石と同じで、感動のしようがありませんでした。(男性・60代)
●子どもの頃、1970年の万博のソビエト館の入館の列に並んでいて、食事をとる時間がなく、近くで売っていたピロシキを親が買ってきて、並びながら食べた。とてもおいしかった。(女性・50代)

【あの美術展】
●伊藤若冲展では、当日券を買うだけで1時間。館内に入るだけで3時間。チケットをもぎってもらうまでに1時間。実際の絵はほぼ見れず、人の頭と天井の記憶しかない。(女性・50代)
●モナリザ、ツタンカーメン、阿修羅とよく並びました。今度はいつ並ぶのだろう。(男性・60代)

多かったのは、テーマパークやコンサート、そして1970年の大阪万博に関するエピソード。
いずれも長い待ち時間とともに、特別な体験として心に残っている人が多いようだ。
何十年も前のことなのに、しっかりと記憶に刻まれている様子なのが印象的だ。

一方、今回の調査によれば、並んだ後の“満足度”が最も高いのはスイーツや菓子店。
しかし、飲食店やスイーツに関するエピソードは意外なほど少数だった。
おいしく食べて満足したことで気が済んでしまい、あまり思い出には残っていないのだろうか。

数々のエピソードから、長い行列待ちの間のおしゃべりや同じ行列に並んでいる人との交流など、待っている時間を楽しんでいる様子がうかがえた。
並ぶことも含めてまるごと“イベント”として楽しめば、行列待ちも苦にならないのかもしれない。

調査機関:インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチ
『DIMSDRIVE』実施のアンケート「行列」。
期間  :2017年7月19日~8月4日、DIMSDRIVEモニター3,811人が回答。

 

記事:編集部

 

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