夏の職場の室温「ちょうどいい」はわずか36.3% 〜男性より「ちょうどいい」率低い女性〜

職場の冷房温度に関する調査結果を公開
“がまんする”男性、“快適を追求する”女性の姿が浮き彫りに

今日は “立秋”。
暦の上では秋に入ったところだが、実際にはまだまだ夏の真っ最中、今年も残暑が厳しそうだ。
今年の夏は今までにないくらいの高温日が続き、観測史上初の6月に梅雨明けをした関東甲信地方は特に、もうかなり長いこと冷房を使用している感が否めない。

ところで、皆さんの職場の冷房温度はどのくらいに設定されているだろうか。
環境に配慮した冷房の設定温度として2005年から政府が提唱している「室温28℃」。環境省が推進する「クールビズ」とともに、世間一般に広く認知されているが、実際、職場で働く方たちは、どのような室温管理で、どういった工夫をして夏場を過ごしているのだろうか。

このたび、株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚純晃、以下:インテージ)が、首都圏で仕事をもつ20~59歳の男女1,490人を対象に、夏の職場の設定温度に関する意識や実態を聴取したので、その結果を紹介したい。

 

まず、夏の職場の室温の感じ方を見てみてみよう。

「『ちょうどいい』と感じることが多い」回答者は、全体で36.3%。『暑い』『寒い』の回答者はそれぞれ約4割、約2割と、6割超の人が「適温ではないことが多い」と感じていることがわかった。また、感じ方には男女差が見られ、男性では半数近くの人が「『暑い』と感じることが多い」と回答、次いで『ちょうどよい』が約4割、『寒い』は1割強にとどまる一方、女性は『暑い』『ちょうどいい』『寒い』が、それぞれ30%台と分散。女性は男性以上に、室温の感じ方にはばらつきがあり、適温と感じている人の割合が低いことが明らかになった。

 

では実際、職場で設定されている冷房温度と、働く方たちが「快適」と感じる設定温度は一体どれくらいなのだろうか。

職場の冷房設定温度は、全体平均では「25.7℃」。一方、自分が快適と感じる職場の冷房設定温度は全体で「25.2℃」。その差0.5℃と、首都圏で働く方たちの職場では、おおむね快適な環境に近い状況であることがうかがえるが、先に見た【職場の夏場の室温の感じ方(適温と感じないことが多い人が、全体で6割超)】とは矛盾するように思える結果となった。これは、同じ設定温度であっても、人やパソコンの密集度、送風口の位置などの環境要素や、暑い外からオフィスへ入った時、終日デスクワークをしている時…など、条件によっても室温の感じ方は異なるためかもしれない。

 

男女別では、男性が快適と感じる設定温度は平均「25.0℃」であるのに対し、女性は「25.7℃」と、男性に比べやや高め。筋肉量が女性より多い男性は発熱量が多く、女性より暑がりといわれるが、その差が、この調査結果に表れているといえそうだ。
また、職場の冷房設定温度と、女性が「快適」と感じる設定温度が同じ<平均「25.7℃」>という結果となったが、最初の「職場の夏場の室温の感じ方」では、職場の冷房設定温度に対して「『ちょうどいい』と感じることが多い」女性の割合は3割止まりであった。設定温度が一定でも、その時々の人の密集具合などの条件による体感温度に対して、女性は男性よりセンシティブなのかもしれない。

 

次に、勤務形態別にも「快適」と感じる冷房設定温度を見てみた。

内勤者が「快適」と感じる設定温度の平均は「25.3℃」。一方、外出が多い外勤者と屋外で作業する人では24℃台と、やはり低めの結果となった。

 

寝苦しい夏の夜。暑さで目が覚めた夫がエアコンのスイッチをオンに。寒さを感じた妻がスイッチをオフに…といった体感温度の違う男女がそんな攻防を繰り広げるエアコンのテレビCMもあるが、職場でもこうしたバトルは繰り広げられているのだろうか。職場で暑さ、寒さを感じた時の行動について探ってみた。

全体では、暑い時、寒い時とも「他の人に配慮して我慢」「周囲に確認し設定温度を変える」がそれぞれ2割強に対して、「自分の判断で温度を変える」の選択率は約1割という結果だった。職場では、自分の感覚だけで設定を変える人は少なく、周囲に配慮した行動がとられている様子がうかがえる。

ここで興味深いのが、男女の行動の違い。暑い時、寒い時ともに女性は「周囲に確認し設定温度を変える」という人の割合が男性よりも高い一方、男性は「面倒なので我慢」の割合が女性より高い結果に。特に暑い時、「寒がる人がいるので」という周囲への配慮からの我慢も含めた「我慢派」は男性では約半数にのぼる一方、女性では36.5%にとどまっている。女性は男性以上に、快適な環境を整えるために積極的に、かつ、周りの人たちにも配慮しつつ行動している姿が想像できる。先述の「職場の冷房設定温度=女性の快適設定温度」という結果も、”温度設定は女性主導なことが多いから”といえそうだ。

 

平均25.7℃に設定されている首都圏の職場の冷房温度。5割弱の男性が「暑いと感じることが多い」と思いながらも、温度を下げずに我慢している結果を見てきたが、我慢ばかりでは仕事のパフォーマンスにも影響が・・・。
何か対策や工夫をしているのか、職場の暑さ対策として利用しているグッズについて聞いてみた。

全体で暑さ対策グッズの利用率トップは、「うちわ/扇子」(38.7%)、次いで「汗拭きシート」(26.3%)、「卓上扇風機」(14.3%)、「クール素材の衣類」(12.0%)、「衣類用の冷感スプレー」(9.5%)と続き、様々な方法で対策していることがわかる。

男女別では、暑さを我慢しがちな男性では「うちわ/扇子」の利用率が約4割と、女性より約10ポイントも高い割合。「卓上扇風機」も女性では8.4%だが、男性では18.3%と2割近い利用率であった。一方、全体利用率2位の「汗拭きシート」は、女性だけでなく男性も活用していることが判明。さっぱり感や清涼感が得られ、体臭対策というエチケット効果もある汗拭きシートは夏場をより快適に過ごすグッズとして浸透してきている様子。

 

続いて、冷房使用時の寒さ対策グッズの利用状況も見てみよう。

8割の男性が職場で冷房対策は「特にない」と回答。一方で、女性では7割以上が何らかの対策をしており、最も選択率が高かったのは「カーディガンなどの羽織もの」で、半数以上の人が利用していることがわかった。体感温度の違いが顕著に出た、男女差の際立つ結果に。

 

最後に、電車・バスの車内温度の感じ方と、スーパー・デパートの店舗内温度の感じ方についても聞いてみた。

バス・電車の車内温度の感じ方については、全体では「『暑い』と感じることが多い」「『ちょうどいい』と感じることが多い」「『寒い』と感じることが多い」がそれぞれ30%台と分散。一方で、男女別では、男性は4割が『暑い』、2割が『寒い』という結果に対し、女性は約5割が『寒い』、2割が『暑い』という逆の結果に。前項と同様に、男女の体感温度の違いが表れる結果となった。

スーパー、デパートの店舗内温度の感じ方については、全体で6割近くが「『寒い』と感じることが多い」と回答。男性においても、回答率がもっとも高かったのは『寒い』(45.2%)で、女性においては実に7割超。職場や交通機関に比べ、商業施設では冷房が効き過ぎ、と感じている人が多いことが明らかに。

 

調査概要

【インテージのネットリサーチによる自主企画調査データ】
調査地域:首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)
対象者条件:20~59歳の有職(パートタイム/アルバイト含む)男女
標本抽出方法:インテージ「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック:性年代構成比を、2015年度実施国勢調査データをベースに、人口動態などを加味した2017年度の構成比にあわせてウェイトバック
標本サイズ:n=1,490
調査実施時期: 2018年6月18日(月)~2018年6月21日(木)


まもなくお盆を迎えるが、例年であれば、この8月半ばくらいに暑さのピークを迎えている記憶だが、今年はすでにうんざりするほど猛暑日が続いており、冷房は欠かせないものとなっている。
職場は性別や年齢、体質、そして職種など、様々な条件の違う人たちが集う場所。自身に合った暑さ対策・冷房対策グッズを上手に取り入れながら、周囲に配慮した設定温度でこの酷暑を快適に乗り切り、秋を迎えたいものだ。

記事:編集部

 

 

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